風情のある鳥籠の中

「ぼく」がぼくのことかどうかは想像にお任せします。散文詩と作文が混じってカオス。

《ADHDについて・診断や費用、伝えたい事》

こんにちは。銀文鳥です。

今回はちょっと真面目な事を書いてみます。
自分の発達障害ADHD)を疑い、精神科に短期間通ったときの話です。
医院の雰囲気や、診察代などなど、
あくまで一例ではありますが書いていこうと思います。

なるべく役に立つように書くつもりですが、自身の話や、
主観が入る事を了承ください。

先に言っておきますが、
ぼくは「発達障害者(非定型発達)である」と明確に診断が出たわけではありませんでした。
どうしても診断をつけてなんとかしてもらいたい!
と思っている方には参考にならないかもしれません。
悩んでいる方に「どういうつもりなら受ける価値があるか、どういうつもりなら受ける意味がないか」の一つの見解が提示できればと思います。

本やネットからの独学ゆえ、わりと曖昧な表現が多くて申し訳ないのですが、
医学的見地の上で明らかな間違いがあれば指摘をお願いします。

ちなみに「結果」などは本当に自分の結果のことしか言ってないので、
読まなくても大丈夫だと思います。

ADHDとは

はてなブログ上でもすでに発達障害という単語がリンクされている上に、
発達障害と一口に言ってもアスペルガー症候群学習障害(LD)など
様々なので、ここではADHDに限って説明します。

ADHDとは、(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder )、
またの名を注意欠陥多動性障害と呼びます。
AD/HDと区切って表記することもあります。(注意欠陥/多動性 障害)

学校で落ち着きがなく教室をうろうろ歩き回ったり、
無くしもの・忘れ物が多かったり、
時間の概念に弱く先々の見通しが立てにくかったり、
衝動的に判断して動くのでミスや事故が起きやすかったり……

などの傾向が幼児期から今まで継続して見られていると、可能性があるとされます。
どの傾向が強いかも個人差があるので、
どのラインからADHDと呼べるか?
という話になるのですが、一番大事な基準は
そのことが原因で生活に支障が出ていないかです。

子供の頃にその傾向が見られても、
成長によってなくなる、軽減されることが多いのですが、
強く残ったままになってしまう場合もあり、
それが社会生活の困難をもたらす場合があるようです。

ADHDは近年話題に登るようになっているのですが、
その扱いは未だ明確になっていないように思われます。

その辺りについてはまた後ほど。

受診のきっかけ

自分について疑いを持ったのは1、2年前のことでした。
たまたま書店で手に取った本がADHDアスペルガー症候群についての本だったのです。

読むうち「自分の感じていた生きづらさやズレはこういうものが原因かもしれない」
と思い、チェックリストが付属していたのですがそれも行うと「傾向アリ」とされたので、
自分がそうなのではないか、と強く感じるようになりました。

しかし、周囲の知名度も低く、当時相談していたカウンセラーには
「自分もADHD傾向者だけれど、わざわざ検査を受けなくていいと思う。
そういうものとして捉えながら生きていけばいい」と言われましたが、
当時のぼくは納得がいきませんでした。
そして、気になってしまって生活や作業が手につかない状態にまで追いやられてしまいました。

診断の是非については後述しますが、この時のぼくにとっては
それがなくては生きていけないように感じられていたのです。
おそらく二次障害だったのでしょうか、うつ状態(過眠、不眠、倦怠感、絶望感など)もひどかったですし。
とにかく客観的に自分がどうなのか知りたかったのです。

インターネットで、ADHDの診断にも対応している、地域の医院を見つけて電話しました。
発達障害が専門ではなかったのですが、通いやすさのことも考え、そこに決めました。
ネット上には高圧的な態度を取られた!と言っている人もいたので若干緊張しましたが、
自分の場合は丁寧な応対でした。そして結構いろいろ聞かれます。
何が気になって受診したいのか、どんな状態なのか、など。
それらを簡潔に答えると、双方の都合のいい日を合わせて、予約して終わりました。

精神科にかかる、というと抵抗感の大きい人もいます(ぼくもそうでした)が、
電話が本当に苦手なら事前に事情を話して代理で話してもらうのもありかもしれません。
なにより、初めて話す人間に自分のことを自分で話すの、結構しんどいです。

検査までの流れ

いきなり精神科医に引き合わされるのではなく、事前に色々なことを聞き出されます。
人間関係、家族構成、持病、性格上のこと、生い立ちなどなど……
全てに耳を傾けながら、すごい勢いでメモされていきます。

相手はおそらく臨床心理士の方ですね。
後の検査もその方に担当していただきました。

さらに、チェックシートのようなものを渡されます。
判断材料程度のものだと思いますが、ADHDの状態やうつ状態かどうかをチェックしていたのではないかと思われます。

そして、いよいよ医師の診察。

先に言ってしまいますが、はっきり言って最初の担当医師はハズレだったと思います。
明確な診断が出せないにしても、やっぱりいきなり薬を出すのはどうかなと……
まあ、それしかできないといえばそうなのですけれど。

その上、ぼくのADHD(ぽい)状態は
「先天性の発達障害か、生い立ちの影響による後天的なものか判断できない」ということでした。

まぁ、それほどまで親による教育がちゃんとできていなくて、生活に過大なストレスなどが与えられていたと捉えられたのなら、仕方ないです。
それはそれで問題では?とは思いますが。

ちなみに、生い立ちや幼少期のことを詳しく聞くために親を呼び出すこともします。無理ならば小中の通知表とか。
ぼくの親は特に発達に問題があると捉えていなかったのですが、まあまあ有意の発言もあったようです。

しばらくの間、とりあえずの診察や服用が続き、いよいよ検査することになりました。
薬価や服用の効き目などについては別記します。


WAIS-III・CAARSを受けてみた

ぼくが受けたのはWAIS-III(ウェクスラー成人知能検査)と、
CAARS(Conners’Adult ADHD Rating Scales)という
自己記入式の大人向けチェックリストでした。

詳しい項目については調べればたくさん出てくるので、
よろしければそちらをご覧ください。

CAARSはひたすらマークシート形式です。
偽る必要はもちろんありませんが、仮に偽ると矛盾してしまうように作問されているようです。

WAIS-IIIは、2、3時間でほぼ休憩なしで終えました。
既存の概念や知識を聞いてくるもの(特に言葉の意味)から、
記号などを機械的にひたすら書くもの、
積み木っぽいものを使い図面の指示通り組み合わせるパズル、絵を時系列に並べる問題、
数字や計算を口頭で言われて指示通り復唱したり答えを言ったりするなど、
まさにIQテスト!と言うものから、常識問題系まで実に様々でした。

疲れますが、結構楽しかったです。普段意識しては使わない領域を使う感じですね。
言葉の意味を答えるのが一番楽しかったかな。
そして解いているうちから苦手なものがじわじわ分かってきます。


結果

結果は(希望すれば?)紙で頂けます。
正式な証明書となるとまた別なようですが。

全検査知能 117
言語性検査知能 117
動作性検査知能 113

言語理解 120
知覚統合 116
作動記憶 85
処理速度 97

これだけ並べられても何のことやら?となってしまいますが参考までに。
全知能検査の平均範囲は80〜119なので、ぼくは「平均の上」の範疇という結果でした。
発達障害を疑う場合、言語性IQと動作性IQの差を見るようですが、
ぼくの場合そこはあまり開きがない結果となりました。

(最近の説では言語性と動作性の差が診断に有意であるのかどうかも
疑われているようなのですが、まあそれは置いておきます。)

詳しい読み解き方はこちらのブログが非常に参考になると思われます。
yaplog.jp

図解付きで丁寧ですし。

とりあえず目立った指摘などを書いてみます。

とにかく数字として目立つのは作動記憶の低さ。
平均(100)より15ポイント低いです。一番高い言語理解との差は35ポイント。

作動記憶とは、ワーキングメモリのことです。
話に注意を向けて持続し、耳で聞いたことを情報として取り込み記憶する力です。

語音整列という、数字や五十音を順番に言われてそれを唱え直したり、逆から唱えたり、
数字は数字で並べ、五十音は五十音でまとめたりしないといけない
検査があったのですが、そのスコア(群指数)が19点満点中3でした。
実際テスト中もボロボロでした。あまりに出来ないことにおどろきましたね。
ちなみに10が年齢相応とされています。

つまり、人より明らかに、口頭の指示などをうまく処理できない。
人の名前や約束をすぐ忘れる。

聞いたことを忘れてしまう、メモさえとれないことがままあるのはそれが原因だったのかと独りごちたのですが……。

次いで処理速度。

こちらは平均に近いですが、やはり言語理解と比べると23ポイント離れています。
処理速度が低いと、そのままですが見た情報を素早く正確に処理することが苦手になります。

単純作業で間違えたり、ペースが遅かったり、ですね。
これも心当たりがあります。いつも人よりワンテンポ遅れるので、
みんなで同じ作業をすることにかなり苦痛を感じていました。

過集中で追いついたりして補えることもあるんですけれど、あれは反動がきつい。

総じて聴覚記憶が弱く、情報の処理が遅いので短期記憶は苦手ということでした。
指示は紙面で順序立ててに示してもらうなどの工夫をしていくといいかもしれない、と結果に書いていただいていました。

逆に、語彙の豊富さや、抽象的な言葉の理解、推測、予想、情報をまとめ上げ説明する力はあり、
能力が高いとのことでした。自信がないために説明過剰ぎみと書かれてしまいましたが。

能力に開きがありすぎると、フリーズしがちなので動きが遅くなるみたいです。
よく「頭でっかち」とか「考え込んでないで手を動かせ」と言われたのは
これらが関係あったのかもしれません。
聴覚記憶の弱さも相まって多分かなり鈍臭い部類に入りますね。

CAARSの結果欄には、「臨床的に有意な症状があると言えます」とありました。
うーんややこしい。まあ、「おまえはADHDかもしれないしそれっぽい結果が出てるね」
くらいの感じでしょうか。
生活上での留意点やアドバイスが頂けてかなり参考になります。

今までぼんやりとしか把握していなかった自身の傾向について理解することは、
かなり重要だったと思います。
客観的に書いていただくことで、自己理解も進むし短所にも長所にも気づけます。


やはりこの検査を受けるためにも、受診することには大きな意味がありますね。

薬(ストラテラ)について

f:id:ssbblue:20160923030130j:plain

錠剤が青いのってちょっとだけテンション上がりませんか?

さて、ADHDには薬があります。
ストラテラという商品名で、成分はアトモキセチンです。
ただし、治療薬ではなく症状を抑えるものです。
(ぼーっとしたり衝動性がでたりを抑える)

詳しいことはググっていただくとすぐ出ますが、
ここでは個人的な感想を。
まず、短期間では効かないらしいのですが、
個人的には不注意がほんのすこしましになったかも?程度です。
うつの抑制効果もあるそうですが、
一時的に回復したのは多分、気分の問題ですね。
すぐ悪化しましたし。
副作用の眠気……も、あったようななかったような。

正直二ヶ月ほどしか飲んでいないのでなにも言えません。
ただ、とにかく高い。まともに飲み続けたら薬だけで月一万はします。
医者が金儲けのためだけに出すなどと揶揄されているのはこの辺りからかもしれません。

やめたのは新しい医師が続けなくてもいいのでは?と言ってくれたからでした。
ぼく自身も正直、薬でどうにかするよりは自力で改善するしかないと思っていたので、それで良かったと思います。

その後の流れ

元から分かっていた事ではあったのですが、担当医師が変わりました。
(さっき書いたけど)
検査はすでに終えていたので、あとは結果が出てしまえば、
正直続けていこうとも思っていなかったのですが。

うつ状態もそもそも前の医師に伝えられておらず、
次の医師に会う時にはなんとかなりそうだと思い始めていたこともあります。

うつ状態なのかうつ病なのか双極性なのかとか分かってないので、
そういう意味では爆弾抱えて生きている感はありますが、今の所元気です。
(遺伝的に双極性の発病率は高いけど……)
自傷行為やODなどはないのでまあ今の所大丈夫です。たとえうつだとしても軽度です。
なめてるわけではないですが。
原因は少し思い当たることがあるので、
今後の診察で判明したらいいなと思っています。

一応その医師に色々と伝えては置いたので、また困ったことがあれば……という形で、通院は一旦終了となりました。



新しい医師は(ぼく的には)非常にまともな人でした。

まず、そもそも「診断がついてどうしたいのか」という話をしました。

ぼくはおそらく軽度のADHD(傾向者)です。
明確な診断は出ていませんが。
しかし、仮に診断が出たところで、何の公的補助もありません。
重度でないため障害者雇用枠なども厳しいでしょう。(欲しいかは別として)
通院を続ける場合は、自立支援医療制度(薬などが安くなる)がありますが。

でも軽度=ましではないのが大変なところ。
それこそ、(失礼かもしれませんが)重度で日常生活にかなり困難がある方は手帳の取得が目指せます。
しかし、軽度というのはあくまで程度の差であって本人の生きづらさとは関係ないんですよね。
むしろ、ぼくらは基本的に定型発達(当たり前のことが基本的にできる人)の方と肩を並べて生きなきゃならない。
支障があるならなくなるような工夫をしていく、ということが課せられるのですね。
工夫して生きるのは生きていく上で当たり前のことではありますが、
その苦痛が並ではないこともあるということですね。いいところもあるにはあるようなのですが。

こういうこと書くと甘えって言われるのかな。まあいいや。


土壇場の集中力や学力がまあまあ高いのに時間管理や人間関係がボロボロだったりすると、
どうして出来ないのだと余計に責める道具にされます。甘えと言われたり。
一概に甘えが全く無いとは言えないにしても、本人の環境とかのこともあるんで、そんな風に責めても解決にならないのでは?と思いますけどね。
はい、自分のことです。すみません。

しかし、責任が出てくる仕事などでうまくいかずに改善もされないとなると、風当たりもきつくなりますし、何より自分が許せなくなります。

そうやってうつになってしまうことを二次障害と呼んだりしますね。

診断がつかないまま放置していれば誰にでも起こりうるものです。
だからこそ、自分を客観的に知り、「理由もなく自分を責める」ことはやめなければなりません。

こんな感じのことをもっとしどろもどろですが伝えたところ、
それで正しいと思います、頑張りましょうね、とおっしゃっていただきました。
発達障害は障害とは言っても一生そのままではなく、まだまだ発達できる余地はあるそうです。
あるいは工夫で環境を整えていける。
実際、自覚したことであれからほんの少しましになっていることも多いです。
まだまだ甘くてダメダメですが、何が苦手かわかるだけで見えるものも変わります。
結局はなにもかも自分次第なのです。
そのための助けとなるのが医療や周囲の人の協力ですね。

あなたは美術系の人間なので、きっとそういう素質が作品のエネルギーになる、
だから深くは気にせず前向きに生きましょう、というようなことを
言っていただいたので、かなり救われましたね。

最終的にかかった費用

細かいことはちょっとわからなくて申し訳ないのですが、
7回の通院、ふたつの検査、二ヶ月分の薬(量は減らしたりしましたが)で、
合計8万円強です。
うっ、頭がいたい……
多分初診料や検査代、薬代、カウンセリング代が高価でしたね。ほぼ全部か。
まあ、受けなくても別に良かっただなんて受けたからこそ言える言葉ですし、
余計なやり取りもあったとは思いますが一つ物事が進んだと思えば仕方ない……のか?

通院していく場合は自立支援医療制度がありますので、問い合わせるといいかと思います。
あと、気になることとかをとにかくメモしていくなりして、伝えることが大事ですよ。


まとめ

だらだらと長くなってしまいましたがいかがでしょうか。

自分自身も受診前は受けるか迷ったり、調べまくってあれこれ悩んでいたので、
そんな人たちへ一例を示せたらなと思って書きました。

金かかるけどわかるとすごくすっきりするよ!あと検査けっこう楽しいよ!

また、ADHDを全く知らなかった人たちもおられるかと思いますが、
「ふーんそんなこともあるんだ」くらいに思っていただければ幸いです。

これは障害云々に限らず言いたいことなのですが、
あなたの常識、できること、出来ないことが世界の全てではありません。
うつやADHD発達障害自閉症などという概念自体が、
今後ひっくり返されてそんなものはなかった!
ということがあったとしても、現に多くの人と違うことで傷つき悩まされている人は
沢山います。そしてあなた自身にもその可能性はあるのです。
悪い方にも良い方にも可能性は大きく広がっています。
今後どうなるのかは誰にもわかりません。

どうか今の自分の世界や常識だけで決めてしまわないで、
想像してみてほしいです。
工夫や伝え方次第でいくらでも力を発揮できる人が沢山います。

あなたの寛容さや柔軟さ、「受診してみようかな」という勇気が、
苦しむ誰かや自分自身も助けてくれると思います。

誰かの生きにくさが少しでも良い方に向かえますように!

ではまた。